英語界隈でたびたび起こるTOEIC論争。
「TOEICで高得点とっても話せないのは意味がない」
「TOEICがモチベーション維持につながるから必要だ」
などなど、意見が飛び交うことが多いのですが、2021年7月には「TOEICは消えてもいいと思う」という過激発言があり、ツイッター上で燃え上がりました。
この記事では、子育てしながらTOEICを計4回受験し、最高820点を取得した私が、フィリピン人講師の見解や日本のTOEIC事情をふまえて、TOEICの必要性を述べていきます。
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日本でTOEICがなくならない理由
TOEIC反対派は多いのですが、ファンの方が多いようで、1年間で受験できる回数は増えているし、問題の難易度もあがっています。
企業でもTOEICの点数を参考にするところが多く、昇級にも関わってきます。
しかし一方、「海外ではまったく役に立たない」「帰国子女なのにTOEICの点が低くて・・・」という話もあります。
ますます過熱するTOEIC論争、なぜ日本はTOEICがもてはやされるのでしょうか。
TOEIC高得点が評価される企業は多い
企業側が、英語力を測る指標としてTOEICを利用していることが多くなっています。
外資系でなくても、一定のスコアがあると就職に有利に働きます。
企業名 | 求められる点数 |
---|---|
パナソニック(国際広報担当) | 900点以上 |
野村ホールディングス(グローバル型社員) | 860点以上 |
富士通(海外出張) | 860点以上 |
日本マクドナルド | 800点以上 |
三菱商事(課長クラス) | 750点以上 |
ソフトバンク | 730点以上 |
日本IBM | 730点以上 |
NTT東日本 | 700点以上 |
アサヒビール | 650点以上 |
楽天全社員 | 600点以上 |
実際に私が毎日やっているオンライン英会話のフィリピン人講師に「TOEICは必要か」という話をしたところ、
「フィリピンでは必要ないわ。だって話してみるとわかるから。でも話せる人がいないと難しいわよね。」
つまり、TOEICという指標がある方が評価が簡単にできるし、評価のための人員やコストも削減できるということです。
受験しやすい
TOEIC受験しやすい理由は
- ほぼ毎月試験がある
- 受験料が比較的安い(6,490円)
- 受験料割引制度もある(1年後受験で5,846円)
TOEICと並んで知名度の高い英検準一級と比較してみましょう。
TOEIC | 英検(会場受験) | 英検(S-CBT) | |
---|---|---|---|
受験料 | 6,490円 | ・1級 :12,600 ・準1級:10,700 ・2級 :9,700 ・準2級:9,200 ・3級 :7,900 ・4級 :4,900 ・5級 :4,500 | ・準1級:10,200円 ・2級 :9,200円 ・準2級:8,700円 ・3級 :7,400円 |
受験日程 | 月1回 | 年3回 | 月1回 |
英検は2次試験が含まれていることも考慮すれば、安いかもしれませんが、何度も繰り返し受験するにはちょっと不便かもしれません。
日本人はテストが好き
なぜかはわかりませんが、日本人は資格やテストが大好きです。
私の憶測ですが、日本人は自己主張が苦手なので、資格という鎧で身を守りたいのではないかと思っています。
ただし、悪いことではないんですね。
オンライン英会話のフィリピン人講師と話したところ、
「ベトナムも日本と同じように英語に苦しんでる。でも日本のTOEICのような資格がないから、みんな勉強の仕方がわからないみたいだし、文法に弱いから上達が遅いのよ。」
実際に日本人の文法・語彙力は、英会話の講師からも褒められています。
TOEIC反対派の意見
TOEICで文法・語彙力が上達しているとはいえ、TOEIC反対派の方からは辛辣な意見が見受けられます。
日本人の「英語コンプレックス=英語が話せない」の解決にならない、という意見が主軸のようですね。
具体的にはどのように言われているのでしょうか。
TOEIC高得点でも英会話できない
確かに、TOEICだけ勉強していては、英語が話せるようになりません。
企業側も理解していないことが多く、「TOEIC900点あるのに、英語話せないの!?」と驚かれることがあるとか。
一般的にTOEICといっているのは、「TOEIC LR」のことで、リーディングとリスニングというインプット力だけを測るテストなんですね。
TOEICの英文はつまらない
TOEICは約90分の間、ひたすら知らない人の文句やグチを聴き、知らない人の苦情の電子メールや複雑な予定変更を強いられる文を読まされます。
私は英検を受験しましたが、英検ではTOEICとは違い、「歴史上の人物の真実」や「ある企業の環境的取り組み」などアカデミックで読んでいて楽しい内容でした。
(問題は難しいですが・・・)
さらにTOEICは年々難易度が増しているため、TOEICファンの方以外の受験者なら苦痛で仕方ないかもしれません。
日本人の英語嫌いを助長するのではないか、という懸念もささやかれています。
TOEICはテクニックで高得点が取れる
帰国子女なのにTOEICの点数が低いことがある、と述べましたが、TOEIC独特のクセを知らないと高得点は難しくなっています。
TOEICのテクニックで代表的なものが
- リスニングの設問文で似た発音のものはだいたい間違い
- パート5の品詞問題は全文読まなくてよい
- 文章の位置と設問の順番はだいたい一緒
他にもありますが、テクニック的なものを覚えておくだけで、英文をよく理解できていなくても点数がとれます。
つまり、TOEICの点数は英語力の本質を測るものではない、という主張です。
TOEIC賛成派の意見
では、賛成派の意見をみてみましょう。
ツイッターではTOEIC成績発表の日は、点数公開でにぎわっています。
TOEICはモチベーション維持に役立つ
TOEICは月1回受験でき、合否ではなく点数で評価がつけられます。
定期的にTOEIC受験することで、英語学習のモチベーションを保つことができます。
TOEICで高得点をとるためにはテクニックも必要ですが、900点以上となると、アウトプットも含めた総合的な英語力も必要になってきます。
英語力向上のためには、継続力、そしてモチベーションを維持することがとても大事なんですね。
TOEIC学習を通して英語力が上がった
実際に私も実感したことで、TOEIC学習を通して文法や語彙力を強化することができました。
90分というハードな試験の中で自分の力をだすには、中途半端な知識では太刀打ちできないんです。
TOEICパート5では文法を問われるので、これまでわかっていたつもりの文法を再確認するのにつながりました。
TOEIC受験のおかげで、英字新聞も抵抗なく読めるようになってきましたし、リスニングの集中力もつきましたよ。
ゲーム感覚で楽しんでいるからほっとけ
TOEIC賛成派の方は、大部分が「好きでやってるんだからほっとけ」ですよね。
たしかに、TOEICだけでは「国際的な場でも実力を発揮できるほどの英語力」は身につかないかもしれません。
しかし、TOEIC受験を楽しんでいる方は十分承知です。
ゲームや試合のように、TOEICの点数を競い合っているだけなので、「TOEIC消えたらいいのに」は言い過ぎでしょう。
結論:TOEIC受験者は応援したい
TOEIC受験のメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりになります。
<TOEICのメリット>
- モチベーションが維持できる
- 英語の基礎力があがる
- 点数で自分の実力が図れる
<TOEICのデメリット>
- 英会話力向上にはつながらない
- 英語嫌いを助長する可能性がある
- 英語力よりもテクニックが重視される
大切なことは、英語を勉強する目的がどこにあるのか、ということです。
TOEIC満点をとってどうしたいですか?
「TOEIC講師になりたい」「昇進したい」「誰かに認められたい」
など人によって目的は異なります。
私はTOEIC受験は大賛成の立場なので、受験者の方は応援したいですし、私もいつか満点をとってみたいと思っています。
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